もやもや(2)

昨日の続きです。


仕事に関して、今はハーフタイム(悪く言えば開店休業中?がーん)なのは、本人である私は仕方ないと思っています。しかし、いずれはアカポスに戻りたい。その気持ちもとても強いものです。
そのためにも、研究を続けていく上での勘やスキルは鈍らせないようにすること。最低限の思考は止めないでおくこと。仙人にならないようアンテナを広げておくこと。何度も自分に言い聞かせつつ、今に至っています。
公募にも応募した。魅力的な公募だったけど、最終的に、勤務開始時期の希望がどうしても先方と合わなくて、結局、自分から最終選考を辞退してしまったけれど。


Hさんは、今の私の状況や公募辞退したことを、もったいないと言いました。もっとハングリーになるべきだと。
Hさんは私の15歳年上です。15歳年上というのは、親の世代(25歳年上)でもなく、兄弟あるいは同世代(5歳年上)でもない、ちょうどその中間の立場。世代と世代の移り変わりの過渡期の見方で、お互いを見れる立場です。


正直、私の親世代の女性研究者から、お前はハングリーさが足りないと言われるのは納得できるのです。その世代の女性研究者(だけでなく、職業婦人全般?)達は、今よりずっと男性社会の中でモーレツに仕事ををし、自分たちの立場を築いてきた世代だから。女性だって外に出ること、仕事を持って自立することが、価値の第一だった世代だから。
もちろん私も、彼女たち先輩方のおかげで、今の女性研究者の立場があることに、本当に感謝しているつもりです。けれど、先輩方の多くは言います。自分の親や義父母に育児をお願いしたからこそ(場合によってはそのために同居して)、仕事に集中することができたと。次の世代の私達に対するアドバイスとして、近くに親がいるなら、是非利用しなさい、と(育児に)。けれど、(全員がそうではないことを十分承知の上で言いますが)彼女らは、育児よりも仕事をとった世代なのです。先輩数人からは同じ言葉を聞きました。仕事と育児の両立のコツは、手を抜ける部分は抜くこと。手を抜く部分はだいたい子供だった、と彼女らは笑って言うのです。


もちろん、その世代の全員がそうだとは決して思ってないのです。でも少なくとも、ある程度の割合で、これはその世代の本音だとも思っています。ただし、やりたくなくて育児をしなかったのではないこと、その時代は、そういう立場でなければ仕事なんて続けられなかった事もわかっているつもりです。


私にはそれはできない。少なくとも、ちびが小さい今現在は。Hさんは、それは母親の呪縛だと言いました(私の母も教師で育児は祖父母頼りだった)。呪縛でも何でもいいが、少なくとも今現在は、自分が研究を続けたいがために、ちびの育児を誰かに任せたいとは思えない。


じゃあいつになったら、フルタイム仕事に戻るのか?
それも、親の都合で決められることではないと思うのです(もちろん公募は大人の都合で来るんだが)。ちびにその準備が整ってから、その上で、親の都合をのんでもらいたい。なので、ちびのアレルギー症状が今よりもっとよくなること、準備が整うこと、を私は焦らずに待ちたいのです。以前は漠然と、年少保育が可能な時期かなと思っていたりもしたけれど、3月生まれのちびの立場では、3歳になってすぐ。年中くらいを覚悟しておいた方がいいなと今では思っています。


ある公募にて誰かと同点で競った場合(そんなことがおこる公募も少ないと思うけど)、ハングリーさが足りないことは確かに不利なのだと思います。それは理解できるのです。
でも私が、あくまで自分のやりたいこととして一番に重きを置きたいのは、「仕事だけ」ではなく、「育児だけ」でもなく、「バランスのいい両者」なのです。でも、子供のステージごとに、育児と仕事、どちらに重きを置いたバランスをとるかはどんどん変わっていくものだと思う。考えれば、バランスが変わっていくのは当たり前のこと。そういう両立の仕方をしていきたいと思うのは、私だけかしら。うーん。同世代で私だけではない気もするが、甘いと思われることも重々承知、、、。


ここまで読み返してみて、あらやだ何か仕事したいのに育児のせいでそれができない!ような雰囲気にも受け取られそうだと思ってしまいました。
決してそんなことはないのです。育児も楽しいので、手を抜きたくないのです。もちろん大変だが(最近は主張が激しくなってきて、もう嫌なものは絶対嫌で、聞き分けないことこの上ないけれども)。一つ一つ何かができるようになっていく、こんなに変化率が激しい時期を見逃すのは惜しい気がする。大人になって巣立っていくまで、育児に終わりはないことはわかっているつもりだけど、一生懸命育児をしなくちゃいけない時期に思う存分育児をしてお腹いっぱいにしておかなかったら、子供がいざ大きくなった時に、子離れできない親になってしまいそうだと、私は自分に対してそう思う。


自分はどうありたいのか。どういう親子関係になりたいのか。そのために、今どうしたらいいんだろうとか。


たくさんの自問自答、今も、きっとこれからもそうだと思います。そしてきっと、その時その時に得られる「納得できる答え、バランス」を繋いでいくんだろうなと思っています。何か、一生懸命考えている割にはうまく説明のつかない考え事なんですがね。